GODIEGO DISCOGRAPHY

TITLE
アワー・ディケイド-70年代-僕たちの時代/Our Decade
DATA
1979年6月25日 
日本コロムビア YX-5010
リリース当初約10万枚のセールス。チャート3位(オリコン)。

 

SONGS

A01 プログレス・アンド・ハーモニー/Progress and Harmony
02 イージー・ライダー/Easy Rider
03 ショック,ショック,ショック!/Shock,Shock,Shock!
04 トライ・トゥ・ウェイク・アップ・トゥ・ア・モーニング/Try to wake up to a morning
05 クロスアップ/Close-ups
06 ディープ・レッド/Deep Red
07 パープル・ポイズン/Purple Poison
08 ライティング・マン/Lighting Man
B09 ア・ボーリング・デイ/A Boring Day (Up on the Moon)
10 イミテーション/Imitation
11 ザ・サン・イズ・セッティング・オン・ザ・ウェスト/The Sun is setting on the West
12 ザ・ドラゴンズ・カム・アライヴ/The Dragon's come alive
13 はるかな旅へ/Where'll We Go from Now
14 プロミス・アット・ドーン/Promise at Dawn
15 プログレス・アンド・ハーモニー(refrain)
REVIEW

ゴダイゴの4thアルバム。

70年代を振り返るコンセプト・アルバムで、大阪万博や映画「イージー・ライダー」、石油ショック、カルト宗教の集団自殺、月着陸などを織り込んでいる。

79年大ブレイク後の過密スケジュールの中で作成されている。 ジョニー野村は当時の雑誌のインタビューで 「(詞ができたのが)2月の始めで、(奈良橋)陽子がやったのね。で、曲作りを始めたのは詞が出来てからだから、2月10日くらいからかな。それで2月の終わりには、出来た曲の録音に入ったんだ。」 (中略) 「この録音が終わったのは3月中ごろ。 その後トラックダウンとかは、スティーヴ(・フォックス)とエンジニアがやんたんだけど、それも3月中には終わったのね。とにかく全部が完璧に終わったというのは4月頃ぐらいだよ。」 と語っている。

サウンド的には、非常に整理された音という印象を受ける。ギターソロもアレンジの一部となっている様な感じがある。
発売当時のインタビューで、「サウンドが以前に比べおとなしくなったのでは」という質問に対し、タケカワユキヒデは録音が良くなった所為ではないかと答えているが、ロックに荒削りさやライヴな感じを求める向きにとっては、アレンジや録音が かっちり作りこまれた反面、まとまりすぎてしまったという感は拭えない。とは言え、人気としては全盛期のアルバムであり、支持者が多いのも事実である。
ミッキー吉野にとっても、当時の彼のアレンジに対する全てのアイディアを注ぎ込んだという自負があるらしく、2000年代に入ったあるインタビューでも「(アルバム『デッド・エンド』や『CMソンググラフィティ』の曲がいいと言っても)作っている側から言うと『アワー・ディケイド』の充実度は全然違うんだ」と語っている。

サウンド、歌詞、ライナー等、トータルなイメージをきっちり作ってあるあたり、こだわりの強いアルバムと言えるだろう。
前作同様The Beatlesの「Sgt. Peppers Lonely Hearts Club Band」のように、冒頭の「プログレス・アンド・ハーモニー」のテーマがエンディングでも繰り返されているあたりにもコンセプト・アルバムとしての意識が うかがえる。

収録曲は冒頭の70年代初を象徴する大阪万博 のテーマ「人類の進歩と調和」をキーワードにした「プログレス・アンド・ハーモニー」や中国の台頭を龍に例えた「ザ・ドラゴンズ・カム・アライヴ」、スターの没落を歌った「ライティング・マン」等名曲が多い。特に「トライ・トゥ・ウェイク・アップ・トゥ・ア・モーニング」はミッキーが書いた曲の中でも最も人気のある曲のひとつである。

大ブレイク時のアルバムであり、ライヴでも数多く演奏されている。 「ザ・ドラゴンズ・カム・アライヴ」は同アルバムの中では比較的ハードな曲で、ライヴでも浅野孝己の計算されてよくまとまったギター・ソロが聞ける。
本レコードでは(Saxソロを除き)ホーンは入っていないが、ライヴではゴダイゴ・ホーンズが入った一味違うアレンジになっている。

奈良橋陽子によるライナーでの解説は次の通り。
『この過去10年間は、私たちの人生にとって大切な時期であり、とても特別な意味を持っています。70年代は60年代に比べ、表面上は活気のない単調な時代でした。しかし、70年代を振りかえって、私たちは次のように考えてみたのです。
 70年代の暁は輝かしい期待で満ちあふれていました(「プログレス・アンド・ハーモニー)。ところが、何ものも飛翔しないと知った時、その期待は失望へと変わってしまったのです。そのため、方向が見失われ、増大する挫折感は恐怖や暴力という形で表われはじめたのです。
 70年代のひとつの特色は、焦点が西洋から東洋へと推移したこと(「ザ・サン・イズ・セッティング・オン・ザ・ウエスト、ザ・サン・イズ・ライジング・オン・ジ・イースト」)−すなわち、西洋の衰退と東洋における新しい勢力の出現です。(「ザ・ドラゴンズ・カム・アライヴ」)
 東洋への玄関口として存在していたのは日本でした(「イミテーション」)。しかし、同時に、その日本は東洋の巨大国”中国”の玄関口として終わらざるを得ないかも知れない、と私たちは感じていたのです。
 現在、70年代と80年代というふたつの時代の境い目に立って、私たちはある問いかけ(「ホエア・ウィル・ウィ・ゴー・フロム・ナウ」)と、最初に立てた誓いの記憶とともに、80年代に直面しています。そして、70年代がより充実した明日への序幕となることを願いながら、このアルバムは終わります。』

 

EPISODES
本アルバムからは「はるかな旅へ」(c/w「トライ・トゥ・ウェイク・アップ・トゥ・ア・モーニング」)がシングルカットされている。

アウトテイクスとしては、「And for Ourselves」という曲があるらしい(月刊明星の付録か何かで ゴダイゴのレコーディングドキュメントがあり、その際「OUR DECADE」のために作詞されたけど ボツになった曲ということでタイプ打ちされた歌詞原稿が載っていた)。 また、1980年に発売されたゴダイゴの自伝的な本「ゴダイゴ 永遠のオデュッセイア」の中に、「Odyssey」という曲の歌詞が載せられている(こちらの方はタケカワ・奈良橋を中心に制作したミュージカル「西遊記(Magic Monkey)」に使用された)。 上記のジョニーのインタビューで「録音中に出来上がった曲もあるんだけど、出来上がった曲は全部で18曲ぐらいかな。」と語っているので、他にも2〜3曲 収録されなかったものがあると推測される。

ライナーノーツは前回同様洋楽アルバムのライナーを意識している。
原色系の派手なブックレット形式のライナーはクレジットから全てが英語表記で、奈良橋陽子によるアルバムと曲目解説の日本語訳と歌詞対訳(山本安見)が付けられているというかなり徹底した洋楽国内盤志向ぶりである。
ジャケットも当然英語のクレジットのみで、メンバーが宙に浮いてお茶を飲んでいるカバー写真はスタジオで実際にピアノ線で天井から吊り下げて撮影・背景を合成したとのことで、えらく大変なフォト・セッションだった とファンクラブ会報で語られている。

当初はLP、カセット(CCK-5040)での発売。後にCDで正式に復刻された(89.11.21/CA-4064)。CDはQ盤でも出ている(94.7.21/COCA-11877)が、これはジャケットの一部及びライナーが省略されている。

  

CREDITS
Producer ジョニー野村 & GODIEGO
Engineer 鈴木慶三 & 宮本良夫
Arranger ミッキー吉野
Players G-Personnel : MarkIII
タケカワユキヒデ: Vocal
ミッキー吉野: Keyboards, Soprano Sax
浅野孝己: Guitars
スティーヴ・フォックス: Bass, Vocal
トミー・スナイダー: Drums, Vocal, Flute
  
サンディ A. ホーン, 伊集 加代子: Backing Vocals
ジェイク・ H. コンセプション: Sax solos
ラリー寿永: Percussions
Designer & Photographer Cover Art Design: 森島紘史
Photograph: 坂田栄一郎

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