パニック(PANIC)

クレジット Yoko Narahashi-Mickie Yoshino
主な音源/演奏メンバー デッド・エンド ゴダイゴ MarkIII
コメント ゴダイゴのオリジナル曲。 リード・ヴォーカルはタケカワユキヒデ。 「パニック」を繰り返す部分ではスティーヴ・フォックスがオクターブ・ユニゾンで唄っている。

アルバム「デッド・エンド」のB面冒頭に、次に続く「イメージ」とセットで構成されている。

「パニック」は文字通りパニックを扱ったもので、カウベルと低音のシンセが密かに唸る中、急激なフェード・イン/アウトで「叫ぶ・走る・押し合う・泣く パニック〜パニック」と、暴力的な言葉とパニックという言葉が繰り返される。 これが3回繰り返されると、続いてハードなギターのリフがバンド・サウンドと共に飛び込んでくる。 このリフは数回繰り返された後、いきなりブレイクし、続いて「イメージ」が始まる。この時、オリジナルのLP版では「イメージ」がカットインする形で入ってくるが、CD版では曲間が空いているため、イメージの唄いだしのタケのブレスが聞こえる。これは、CDリリース時にはLPの原盤が残っていなかったため、それぞれの曲のマスター・テープから落としなおしたためである(「イン・ザ・シティ」と「サムの息子」のクロス・フェイドがなくなっているのも同じ理由によるもの)。

単体でどうこう言う曲ではないが、叙情性溢れるハード・ロック・アルバムとも言える「デッド・エンド」を引き締める楔の様な役割を果たしている曲である。 歌は4歳の時の回想から始まり、足早に少年が成長するシーンを辿っていく。途中で聞き手はそれが若者の死ぬ間際に頭を駆け巡るイメージであることに気付く。 それは切なくもなく、荘重でもない。ただ一瞬で通り過ぎるきらめきの様な曲である。 これがハードな「パニック」と組み合わされるのは、まさにアルバム「デッド・エンド」のコンセプトを象徴している。

ファンクラブ会報10号の78年3月27日九段会館のコンサートのセットリストでは同曲が演奏されたことになっている。また、吉澤洋治は「アメリカに行く時に(この曲を)練習した」とファンクラブ会報32号で語っているので、80年のロスアンジェルスでの「ストリート・シーン」で演奏した可能性がある。 

放送音源では確認されていない。

ファンクラブ会報33号の「Dead End特集第2回」のQ&Aで、ミッキー吉野は「パニックとイメージをつないだ理由は」という質問に対し、次の様に答えている。「人間が死ぬ直前とか、またパニック状態においこまれたとき、頭の中にいろんなイメージがフラッシュバックしてくるでしょう?走馬燈のように。それをあらわしたかったんですね。当時はまだ力がたりなかったけどね。曲がきれいに流れるところから”イメージ”でそこまでが”パニック”です。」と語っている。

タケカワユキヒデはファンクラブ会報27号で同曲について、「生まれてはじめてのメロディーのない歌だった。しかも、キーがなかった!...おまけにスリルを要求された。歌えなくてこまった。」とファンクラブ会報27号で語っていた。

 

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