「破壊する」と魔人は言った

 

私は魔人にさらわれて 風を切って飛び続ける

滑らかに広がる大海原も 破壊の予感に白い泡を浮かべる

魔人の横顔は彫像の様に冷たく、美しく、そして冷酷

彼の巻き起こす旋風は 海を切り裂いて走る

 

遠くに見える大帆船は 彼が私をさらってきた父の船

鏡の様に透き通る海を 軽やかに進んでいく

私の嘆願には冷ややかな笑みで答え、魔人は風を放つ

彼の意を受けた旋風は、波を、そしてあの船を切り刻む

 

船は海の底深く姿を消し 魔人は空高く駆け上がる

言葉を失った私を 魔人は我が物にした

魔人はどこまでもクールで、寡黙で、しかも邪悪

彼の営みは力強く 私は彼の子を宿した

 

今はただ時が過ぎるのを待とう

いつの日かこの未だ生まれぬ子供が

魔人から受け継いだ力を操る時がくるだろう

今はただ時が過ぎるのを待とう

いつの日かこの今だ生まれぬ子供が

魔人を粉々に打ち砕くその時まで

 

魔人は今日も飛び続ける 破壊こそが力であると

 

作詞:高崎勇輝
©2005 BY STUDIO-G  ALL RIGHTS RESERVED

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