イエロー・センター・ライン(YELLOW CENTER LINE)

クレジット Yoko Narahashi - Yukihide Takekawa
主な音源/演奏メンバー シングル「僕のサラダガール」(B面) ゴダイゴ MarkI
ゴダイゴ(組曲:新創世紀)
THE WATER MARGIN (UK盤)
コメント ゴダイゴのオリジナル曲。 リード・ヴォーカルはタケカワユキヒデ。

デビュー・シングル「僕のサラダガール」のB面に収録され、1stアルバム「 ゴダイゴ(組曲:新創世紀)」にも収められているゴダイゴ初期の名曲の一つ。
しかし、ドラムはこれらのレコードにクレジットされている浅野良治ではなく、その前任者でミッキー吉野グループのメンバーだった原田裕臣が叩いている。

タケカワユキヒデがソロ時代に作った曲で、ゴダイゴの前身であるタケカワとミッキー吉野グループ時代から演奏されており、1stアルバム収録曲の中でゴダイゴ(MarkI)がレコーディングした最初の曲である。

イントロなしで、ヴォーカルがピアノと共に飛び込んでくる印象的な出だしで、ピアノはタケカワが弾いている。ゴダイゴ最初期のライヴやテレビ・ラジオ出演時でも、タケカワ がピアノを弾き語り、ミッキーがオルガンを演奏していた。 途中からギター、ベース、ドラムそしてミッキーのオルガンが入ってきて、各楽器が絶妙に噛みあったバンド・サウンドとなる。間奏のソロはミッキーのオルガン で、彼のオルガンと浅野孝己のギターのオブリガードがキマった名演である。
コーラスは坂本めぐみと上村純子が参加しているが、エンディングの2声のハモリはタケカワが多重録音でやっている。

奈良橋陽子の北軽井沢の霧深い山路でのドライブの恐怖感の体験を元に作詞されたというが、タケカワはそのことはあまり意識していなかったらしく、曲の感じはあまりそれを感じさせないポップなメロディとなっている。

シングルとアルバムではテイクは同じだがヴォーカルのエコー等ミックスがやや異なる。具体的には、次の4点である。
・間奏部でシングル版にあるフルートの音がアルバム版ではしない。
・最終部でのドラムはアルバム版の方がエコー量が多い。
・シングル版はギターが左でキーボードが右にはっきり位置され音も前面に出ているのに対し、アルバム版はギターが中でキーボードが中左でセパレーションが狭い。
・曲が終わる直前にアカペラで歌う「But it sure took a long long」 の部分でシングルではリバーブがかかっているのに対し、アルバム版ではほとんどノーエコーである。

75年6月にFM東京の「デンオン・ライブコンサート」にタケカワとミッキー吉野グループが出演した際に既にこの曲が演奏されている。 76年4月にゴダイゴでこの番組に再出演した際や、その頃のテレビ出演時(NHKのレッツゴーヤング等)にも演奏された。

 

その他 1976年にATG映画「青春の殺人者」の中で使用された。

70〜80年代のゴダイゴのプロデューサーだったジョニー野村は、「ゴダイゴ 永遠のオデュッセイア」(1980年徳間書店刊)の中で、作詞を担当した奈良橋陽子(ジョニーの当時の奥さん)のエピソードを次のように語っている。
「ヨーコ(作詞を担当した奈良橋陽子:ジョニーの当時の奥さん)の場合、(中略)自分の経験のことしか書かないし。 北軽井沢での話ね。子どもふたりを北軽にいる友達の家に連れていって、帰りが遅くなったわけ。車で運転してたら、霧がかかってきて、当人もこわくなってきたのよ。アホみたいな話よ。頼れるのは、もうセンター・ラインしかないわけ。やっと軽井沢へ着いて、「ハァーッ」とやってるぐらい。ただ、それが詞になっちゃうんだ。『イエロー・センター・ライン・・・・』って詞にね。あの詞みると、バカバカしいくらいよ、ほんとに。それがスゴくカッコいいのよ。子どもが隣にいて、霧に出会って、心細くてしょうがなくてさ、そんな時でも詞になっちゃうんだから、もう感じ方が違うんじゃないかな、ぼくなんかとは。」

2006年秋のコンサートでは、スティーヴがMCをしている間にタケカワがそっとミッキー吉野の側に移動し、MCが終わった途端に彼のピアノ弾き語りでこの曲を演奏し始め、ファンを狂喜させた。

 

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