御国(MIKUNI)

クレジット Yoko Narahashi-Mickie Yoshino
主な音源/演奏メンバー デッド・エンド ゴダイゴ MarkIII
12インチシングル「デッド・エンド」
GODIEGO in 東大寺 ゴダイゴ MarkVI
コメント ゴダイゴのオリジナル曲。 リード・ヴォーカルはタケカワユキヒデとトミー・スナイダー。

アルバム「デッド・エンド」のB面ラストを飾る名曲。

メロトロンのコーラスと浅野孝己のアコースティック・ギターのカッティングにかぶさる様にタケカワのヴォーカルがスペイシーな雰囲気を醸し出している。

サビからベースやドラム、女声コーラスと共にトミーのヴォーカルがゆったりとしたメロディを歌い上げる。通常の曲の様に、ワンコーラスが終わるとまた頭に戻るという構成ではなく、このまま延々とサビを繰り返して最後はフェードアウトしていく。 最後の方で歌にかぶさる少しポルタメントのかかったシンセの ソロがとても美しい。 

そして特筆すべきは、ミッキー吉野のストリングスのアレンジだろう。 アルバム冒頭の「時の落とし子」もそうだが、ミッキーの書くストリングスは歌のメロディを生かすという意味で実にセンスが良い。 力強く歌い上げるトミーのヴォーカルと共に、スペース・オペラ「デッド・エンド」は幕を閉じる。 このメロディはライヴ・アルバム「マジック・カプセル」収録の「組曲:新創世紀」ラストの「釈迦の歌」での浅野氏のギター・ソロでも使用されている。

ファンクラブ会報10号の78年3月27日九段会館のコンサートのセットリストでは同曲が演奏されたことになっている。 またファンクラブ会報28号でファンが選んだBEST20にこの曲が入っており、82年1月21日の神奈川県民ホールでのコンサートでこのBEST20の全てが演奏された際にも演奏された。

また、吉澤洋治は「アメリカに行く時に(この曲を)練習した」とファンクラブ会報32号で語っているので、80年のロスアンジェルスでの「ストリート・シーン」で演奏した可能性がある。

放送音源では確認されていない。

プロモーション用の12インチシングルにも収録されており、こちらはテイクは同じだが、コーラス等のミックスが一部異なる (正確には(ミッキーによれば)ミックス前のものらしい)。

 

その他

作詞の奈良橋陽子は、最初福井県三国をイメージして書いたらしいが、英語で「Mikuni」と書いてあったため、プロデューサーのジョニー野村が「御国」という漢字を充てた。 陽子が違いに気付いたのは、ジャケットが出来上がってかららしい。

同曲は77年公開の映画「オレンジロード急行」にも使用された。

実際に歌われている歌詞は、一箇所歌詞カードと異なる部分がある。
2ndパラグラフで、「I'll reach up to the heights」と書かれているものは、実際には「I, too, could reach the heights」と歌われているようである。 当時歌詞の細かいところはレコーディングで歌いながらプロデューサーのジョニー野村が変更している場合があり、これもそのひとつだったが、歌詞カードへ反映がなされなかったのではないかと推測される。

ミッキーはファンクラブ会報27号で思い出のある曲のひとつとしてこの曲を挙げており、「自然に曲がでてきてね、洞窟にとじこめられていて光をみた、そんな感じだった。」と語っている。

2000年7月に上演された奈良橋陽子演出・ミッキー吉野音楽のミュージカル「TATSU」(出演:野村祐人他)で同曲が(オリジナルのまま)使用された。

06年5月の東大寺コンサートでは、「釈迦の歌」を間に挟む形で演奏されており、この時はサポート・メンバーの竹越かずゆきがヴォーカルを取っていた (竹越版も「I, too, could reach the heights」で歌っている)。

 

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