サムの息子(STOP AND LOOK AROUND)

クレジット Yoko Narahashi, Tommy Snyder - Mickie Yoshino
主な音源/演奏メンバー デッド・エンド ゴダイゴ MarkIII
12インチシングル「デッド・エンド」
コメント ゴダイゴのオリジナル曲。 リード・ヴォーカルはタケカワユキヒデ。

アルバム「デッド・エンド」に収録されており、 「イン・ザ・シティ」と並んで地味だが初期のゴダイゴのロック・バンドとしての存在感が出ている佳曲。 当時のフォーク〜ニューミュージック・サウンドとはアプローチの全く異なるサウンドである。

レコードでは前曲のエンディングのS.E.(クラクション等のノイズ)にかぶさる様にリズムを刻むピアノがフェード・インしてきて、ドラムとベース(ローランドのシステム700によるシンセ・ベース)のリズム隊が入る。 但しCDでは編集が異なっており、LPではクロスフェイドしていた「イン・ザ・シティ」と「サムの息子」がCDでは曲間が開いている。これはCD化の時にアルバムの原盤が残っておらず、個々の曲のマスターから落とし直したため 。

ヴォーカルはタケカワに加え一部オクターヴ・ユニゾンでスティ−ヴ・フォックスが唄っている。

トミー・スナイダーのドラムはタイトというにはリズムが粗いが、エンディングのロータムを多用したドラミングは独特の持ち味を出している。 エンディングはシンセサイザーによるソロでフェード・アウト。

放送音源では78年2月5日のFM東京「DENONライヴ・コンサート」で演奏されている。これは「Stop & look around〜」の譜割りが異なっている。ミッキー吉野のオルガンが唸る、白熱した良い演奏である。

ファンクラブ会報10号の78年3月27日九段会館のコンサートのセットリストでは同曲が演奏されたことになっている。79年12月19日の日本武道館のコンサートでも演奏されている。 また、吉澤洋治は「アメリカに行く時に(この曲を)練習した」とファンクラブ会報32号で語っているので、80年のロスアンジェルスでの「ストリート・シーン」で演奏した可能性がある。

プロモーション用の12インチシングルにも収録されており、こちらはテイク・ミックスは同じだがエンディングが少し長い。

 

その他

奈良橋陽子とトミーの共作詞になっているが、トミーとミッキーで書いた曲を、レコーディングの時にジョニー野村のプロデュースで(一部?)陽子の詞に差し替えたのが真相らしい。 これはトミーにとっては少し納得がいかなかった様である。 

ちなみに「サムの息子」とは76〜77年頃にニューヨークで発生したカップル等を狙う連続猟奇殺人事件の犯人(デヴィッド・リチャード・バーコウィッツ)を指している。 タケは後に「デッド・エンド」の曲の歌詞を「何か暗くて嫌だった。」と語っているが、その中でも特に暗い歌詞である。ちなみにバーコウィッツは77年に逮捕され、禁固365年の刑を受けた。 スパイク・リーはニューヨークがこの事件の恐怖に怯えた夏を描いた「サマー・オブ・サム」という映画を監督している。

 

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