GODIEGO DISCOGRAPHY

TITLE
M.O.R.
DATA
1981年9月1日
日本コロムビア  AF-7076

リリース当初約 2万5千枚のセールス。チャート19位(オリコン)。

 

SONGS

A01 イントロダクション/Introduction
02 M.O.R.
03 ロンリネス/Loneliness
04 スリー・イヤーズ・オヴ・ラヴ/Three Years of Love
05 ピアノ・ブルー/Piano Blue
06 リヴァー・キープ・ラニング/River Keep Running
B07 ア・ハンドレッド・イヤーズ・フロム・ナウ/A Hundred Years from Now
08 ホーム・イズ・コーリング・ミー/Home is Calling Me
09 ティアーズ/Tears
10 ジャスト・ビー・ゼア/Just be there
11 イッツ・オンリー・マネー/It's Only Money
12 ナッシング/Nothing
REVIEW
ゴダイゴの6thアルバム。

M.O.R.(ミドル・オヴ・ザ・ロード)と題して、ポップで聞きやすいサウンドの曲を集めたノン・コンセプト・アルバム。
そういうテーマにたどり着くまでにかなり時間がかかったらしい。M.O.Rという略語は、例えばAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)等に比べて使用頻度の非常に低い言葉であるが、これについてはタケカワユキヒデが当時連載していたFMレコパル誌のエッセイ「タッタ君あらわる」に延々書いている 。

大ブレイクが一段落した時期に発表され、セールス的にかげりが見えた一枚。

サウンド的には、ソフトな意味でのロックンロール的な音で仕上げている。 ブラスをフィーチャーしたインストの「イントロダクション」から続いてチャック・ベリーで連想されるあのR&Rギターで始まる「M.O.R.」や、「スリー・イヤーズ・オヴ・ラヴ」でのR&Rピアノソロに絡むツイスト&シャウト風のコーラス等、50年代から60年代のポップスのエッセンスを取り込んだサウンドである。 当時のファンクラブ会報では「全天候型アウトドアー・ミュージック」という表現を使っている。

この時期に何故R&R?というのと、録音に時間をかけすぎてライヴ感が失われてしまっているのが残念である。 「M.O.R.」や「ホーム・イズ・コーリング・ミー」はリズム・セクションから始まる一連のレコーディングからヴォーカルの録音まで済み、トラックダウンの段階でまた最初から全てやり直す等の試行錯誤を繰り返したらしい。もっと伸び伸びやれば良かったのにと思わせるところが「アワー・ディケイド」に通じるものがある。
ミッキー吉野は後にこのアルバムは最初の演奏は良かったけど、唄入れのところでダメになってヤル気がなくなった様なことを語っていた(吉澤洋治も同様のコメントをしている)。 タケカワのヴォーカルのオーバーダビングがリズム・セクションの迫力を無くしているという意見は多数あったらしいが、ジョニー野村が「シングル・トラック(ヴォーカルのダブりなし)ではタケの声は聞くに耐えない」と一蹴したらしい。 夕方から作業を始めて夜中までがリズム隊、それ以降がタケカワ・ジョニーの唄入れということで、ジョニー/タケカワ&浅野孝己組とミッキー/吉澤/トミー・スナイダー組の構図がかなりはっきりしてくる。その結果、ミッキーと 吉澤はライヴハウスへの飛び入りを繰り返し、後のデビュー!やPAN等のユニットに繋がっていく。 

ファンの間でもこのアルバムのミックスについては嫌いという人が割といる。 
当時のメンバーの証言によれば、仮唄のみのテープはかなりギンギンなものだったらしい。 またミッキーはこの時期腱鞘炎にかかりかけたと「ゴダイゴBOX」のタケカワとミッキーの対談では語られている。

「リヴァー・キープ・ラニング」と「ホーム・イズ・コーリング・ミー」はポップさと勢いのバランスの取れた佳曲である。
また「ピアノ・ブルー」など、曲の良さ+ミッキーのピアノがマッチした名曲である。無理やりポップ・アルバムらしくしなくても良かったと思うのだが、メンバー、スタッフそして当時の状況ではそれは難しかったのだろう。

ファンクラブ会報に掲載されたこの曲に対するミッキー吉野のコメントは次の通り。
「ひとくちにこのアルバムはどんなものか、ということについては、A面B面、ちょっとちがうんだけど、特にA面をきいてくれればわかります。今までのアルバムは、テーマというかコンセプトがはっきりしていて組曲風になっているのが多かったんだけど、今回はわかりやすくてみんながのれる音楽をやってみようということで作りました。(中略)あとタケにもいわれたんだけど、ぼくが今年グランドピアノをかって練習していたのがだいぶ現れていて、あちこちにアコーステックピアノが入っています。」

 

EPISODES
ステージで再現し易い曲が多い所為か、81年の24時間TVや発表直後のFMライヴ等でほとんどの曲が演奏されている。

本アルバムからは「スリー・イヤーズ・オヴ・ラヴ」の日本語版(c/w「ナッシング」の日本語版)がシングルカットされている。
この日本語詞は、50年代の日本語のロカビリーのようなストレートな歌詞(Oh, セブンティーン かーわいいきーみさー)が悪い意味で印象的だった。「日本語ロックか英語ロックか」という70年代ロックのテーマが完全に終焉を迎え、ロックにおける歌詞が重視されていく時代の流れに完全に逆行する歌詞は、このアルバムのイメージを更に悪くしてしまったと言える。

この頃から奈良橋陽子が作詞を手掛けなくなり(数曲担当しているが)、代わりにジョニー野村がウィル・ウィリアムス(Will Williams)の名前で作詞をメインに担当し、トミーも詩・曲を提供する様になった。

 「ロンリネス」は森永製菓のCM(「小枝」)に使用された。
同曲では、浅野と吉澤が楽器を交換しており、ステージで演奏する際にもギターとベースを取り替えて弾いていた。
吉澤は「ホーム・イズ・コーリング・ミー」でもギターを弾いている。浅野とはスタイルが全然違うが、「ロンリネス」のソロはなかなか良く考えられた流れるようなフレージングが印象的である。

ジャケットのイラストは「ミュージック・マガジン」の表紙や、日本のロックバンドのアルバム・ジャケットを手がけていたイラストレーター河村要介による5人の似顔絵。メンバーの顔は、「カトマンドゥー」の時に撮影されたプロモーション用のポスターや予約ハガキの写真を元に書かれている。この写真を見ると、浅野の髪が短いのは、実は後ろで結んでいたためと分かる (この写真はゴダイゴBOXのライナー9Pに載せられている)。 しかし、70年代はともかく、当時のゴダイゴのイメージやサウンドからはやや違和感があり、ファンクラブ会報34号でこのジャケットについて聞かれたタケカワユキヒデは、「あれは(爆笑)、あれは知らないよ。MORはあれは・・・ あれは違うって感じがしたよ(笑)」と語っている。

ライナーノーツは歌詞と対訳(山本安見)のみのシンプルなもの。

当初はLP、カセット(CTK-7059)での発売。後にCD (Q盤)で復刻された(95.2.21/COCA-12372)が、これはジャケットの一部とライナーが省略されている。 

  

CREDITS
Producer ジョニー野村 & GODIEGO
Engineer 大野映彦 & Kurota Kenji
Arranger ミッキー吉野
ホーン・アレンジ: Swami ひろし, 井口秀夫, ミッキー吉野
Players G-Personnel : MarkV
タケカワ ユキヒデ: Vocal
ミッキー吉野: Keyboards, Vocal
浅野孝己: Guitars, Bass (on 2), Vocal
吉澤洋治: Bass, Guitar (on 2,7), Vocal
トミー・スナイダー: Drums, Vocal
  
ゴダイゴ・ホーンズ(第三次)
・Swami ひろし: Trumpet
・井口秀夫: Trombone
・松風鉱一: Sax
 
Tokyo Jack Stamm: Blues Harp (on 1)
鈴木徹: Sax
渕野繁雄: Sax
小野広一: Trumpet
Designer & Photographer Cover Art Design: 森島紘史
Illustrated by: 河村要介

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